Raspberry PiをRoon Bridge(ついでにネットラジオ)にしてみる。
手持ちの音楽CD(5,000曲ぐらい)を2019年春ごろにすべてFLAC Uncompressedにし、メディアサーバーとしてServiioを立ててAVレシーバーやネットワークプレーヤー(Marantz NA6005)に付いている再生機能で聴いていたのですが、再生中に切れたりして不安定だったこと、また、ネットラジオの機能(vTuner?)で海外のラジオをよく聴いていたのですが、たまに音がブチブチ切れることがあり、こちらも再生品質が悪く不満でした。
Raspberry Piでなんとかなる?
ネットオーディオについては、かねてからRoonに興味があったので、Roon Readyのネットワークプレーヤー TEAC NT-505を検討していたのですが、少々お高いので二の足を踏んでいました。
そんなとき、ふと部屋の隅をみると昔いじっていたRaspberry Piが目に入り、これを使って何かできないかとググってみるとなんとかできそうな雰囲気だったのでやってみました。
やりたかったことは2つ。
いろいろ試した結果、最終的には、
- 光/同軸出力のサウンドカードを買ってラズパイに装着
- ラズパイのOSとしてVolumioを入れ、管理画面からRoonを有効化
で落ち着きました。
iPhoneのRoon RemoteからVolumioのRoon Bridgeを操作している画面はこんな感じです。Volumioはホスト名を初期値から変更していないので「volumio」と表示されています。Roonがネットワーク上のBridgeを認識して自動的に表示されるので、何の設定も不要です。今のところ何の問題もなく、快適に動いています。
そしてこちらはVolumioのインターネットラジオ周辺の画面。WebアプリなのでSafari等のブラウザからのアクセスになりますが、IPアドレスはmDNSが効いているのでDHCP環境でも意識する必要なく、volumio.local
でアクセスできます。また、iPhoneの場合はブラウザから「ホーム画面に追加」をしてやると普通のアプリっぽく使うことができます。
追加で買ったもの
サウンドカード
サウンドカードは、ネット上に情報が多かった「HiFiBerry Digi+ Pro」を購入。ラズパイのGPIOに差し込むだけでVolumioは認識してくれるはずです。BNC端子のはんだ付けはしてません。
ケース
裸のラズパイをAVラック裏にずっと置いておくのもなんなので、AVIOTのケースとDigi +用の交換パネルを購入。ラズパイのLEDランプが見えなくなるのが玉に瑕。
サウンドカード、ケース合わせて17,000円ぐらい。 裸のままが気にならないならもう少し安くあがりますが、ケースにいれると安心感があります。Roonライセンス
Roonは14日間のトライアル期間で気に入ったのでひとまず年間ライセンスを購入。こちらは119.88USD(現在の為替レートで13,000円弱)。ちょっと高い気はしますが、払う価値はあると思います。アプリ全般の出来が素晴らしいです。ちなみに、Lifetimeライセンスは699.99USD(約75,000円)です。6年以上使い続けるならお得ですね。 roonlabs.com
トライアル登録の際にクレジットカードの入力まで求められるのですが、ここでちょっとつまづき、先方(Roon Labs)と稚拙な英語でやり取りしました。 最初の問い合わせメールを送って返信まで2週間ぐらいかかりましたが、その間にごちゃごちゃやってたら登録できてしまい、結果OKとしました。 以下のメールのやり取りの2.のところで、ドロップダウンリストからクレジットカード情報を選択するのではなく、その画面のカード情報入力欄に直接入力するとうまく登録できます。 暗にサイトの不具合を報告をしたつもりでしたが、もしかしたら修正されているかもしれません。
Thank you for your reply. I tried to register by another operation, then I was able to do it.
Sorry for the confusion. It looks like you were able to figure this out and you have a free trial that converts to a yearly subscription.
How do I become Trial Membership? I did the following operations on your sites, but I cannot be Trial Membership. Please tell me what to do.
I registered my account informations (name, email address etc.) and credit card informations on the following site. https://roonlabs.com/account#tab_account And I clicked "Try it Free" button.
I selected "Use Card Ending in xxxx, Exp. mm/yyyy" on drop-down list, and clicked "PURCHASE USING THIS CARD" button on the following site. https://roonlabs.com/buy
Then, The following message was displayed. "Purchase failed: CCRequired. Please try again." I don't understand this message.
ライセンス認証は、最初にRoonのクライアントを立ち上げた際にアカウント情報を入力し、ネット経由で認証される仕組みになっています。
ちなみに、Roon Serverはラズパイには入れておらず、別のUbuntuマシンにインストールしています。 インストールの仕方については、公式に書かれている通りにすれば詰まるところはないかと思います。 自分は「The Easy Installer (Recommended)」に書かれているshでのインストールを行いました。 kb.roonlabs.com
Volumioが良い!
当初はRaspbian Busterでなんとかしようとして、ネットラジオ機能をMPD/MPC+自作プログラムやMopidy/Irisで解決しようと1日半ほど回り道をしてしまいましたが、ラズパイのOSをVolumioにすることでやりたかったことが1時間程度であっさり実現できてしまいました。インストールはラズパイに挿すmicroSDカードにVolumioイメージを焼くだけです。 volumio.org
Raspbian+Mopidyを没にした理由は、とりあえずTuneIn Radioは聞けるけどラジオ局選択ができないこと、Roonとオーディオデバイスが競合するため、Mopidyを常時起動できないことです(ここが致命的でした)。
VolumioだとRoonをわざわざ手動でインストールする必要もなく、プラグインの管理画面からボタン1つで機能追加できます。また、前述のとおりネットラジオの機能も付いてます。デバイス競合云々も考えなくてよいです。
使用感
Roonの使用感としては、スマホやタブレットからRoon Remoteで再生曲選択などの操作をしたり、直接スマホで聴けたり(←ここも重要)で快適ですし、音源のデータがAVレシーバーまで無劣化で転送できているようで、音質的にも満足しています。
ネットラジオの操作性に関しては、TuneInやvTunerと同様に聴きたい局が選択できますし、「お好みの放送局」に登録しておくこともできます。
当初問題となっていた音の途切れについても、アプリの安定性やメモリ容量のおかげなのか問題なく再生できており、快適です。
しかしこれでNA6005が置物になってしまった。。。
2020年4月現在のオーディオ周りの構成
Roon Server
Ubuntu18.04 LTS 物理マシン(Core i3-8100、メモリ8GB)にインストール
常時起動。FLACファイルもここに格納。
Roon Bridge
Raspberry Pi 3 Model B v1.2 (2015)
+ HiFiBerry Digi+ Pro
+ Volumio 2.729
AVレシーバー
YAMAHA CX-A5100
Raspberry Piとは同軸デジタルケーブルで接続
アンプ
NuPrime STA-9
レシーバーとはXLRケーブルで接続
スピーカー
KEF Q900
ネットワークは、Roon Serverを置いてある部屋とRoon Bridgeが置いてある部屋の間は11acで無線化しています。
余談
STA-9は正直あまり気に入っていません。調子が悪くなったSONY DA-7100ESから今の構成に変えたのですが、無音時のホワイトノイズと、低音のルーズな感じがスピーカーとの相性もあっていまいちです。